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建築家がデザインした家具は、家具デザイナーがデザインした家具とはちょっと違うように感じる。建築家の家具には、見た目がきれいとか、使いやすいというだけでなく、その建築家の空間に対する考え方が凝縮されている。あるいは、使いやすさは二の次で、自身の建築哲学の実現を追求したようなものもある。そういう意味で、建築家の家具は、小さくても「建築」なのである。
「メイド・イン・カッシーナ」展では、30人のデザイナーによる家具が、作家別に展示されている。その中には建築家も数多く含まれており、筆者のような“建築好き”にも楽しめる構成だ。「建築の視点からリポートを」というリクエストなので、建築家がデザインした家具に絞って見所を紹介させていただく(イラストも筆者)。 作家別展示の最初にあるのは、おなじみル・コルビュジエのコーナーである。 ル・コルビュジエは、いとこのピエール・ジャンヌレと、後に家具・インテリアデザイナーとして活躍するシャルロット・ペリアンとのコラボレーションにより、「LCシリーズ」と呼ばれる家具群を製作した。 1920年代後半に製作されたアームチェアの「LC1」や、寝椅子の「LC4」は、文字通り「機械」っぽい可動機構を持っている。特にLC4は、コルビュジエ自身が「休息のための機械」と呼んだというほどのお気に入りだ。 可動機構はないものの、筆者がコルビュジエらしいな、と感じるのは、一人がけのソファ「LC4」だ。特に、本展で展示されている白いレザーのLC4を見ていると、どうしてもあの建物に見えてくる。重量感のある白い塊を細い柱で持ち上げ、あたかも宙に浮かんでいるように見せた、あれだ。 ル・コルビュジエには、これまた有名な「近代建築五原則」という宣言があって、この五原則に一番ぴったりはまるのがサヴォア邸だといわれる。ちなみに五原則とは、「ピロティ」「屋上庭園」「自由な平面」「横長の窓」「自由な立面」である。 白いソファを細い足で持ち上げる発想は、まさにピロティ。五原則の最初がピロティであるところからも、ル・コルビュジエの「宙に浮かす」ことへの並々ならぬ執着がうかがえる。 おそらくソファの底面がべたっと床についていたとしても、座り心地はほとんど変わらないだろう。しかし、それではル・コルビュジエにはNGだったのだ。建築家にとって、家具は「小さな建築」なのだから。 取材/宮沢洋=日経アーキテクチュア副編集長
by madeincassina
| 2009-04-28 22:43
| 宮沢洋
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